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トリクルダウン幻想vs積み上げ効果

取材こぼれ話
投稿日: 2013年5月8日 作成者: 甲斐良治
『季刊地域』前編集長の甲斐です。新編集長から「これだけはやれ」との命令で、13号から「町村長インタビュー」を担当しています。記事では、各地の首長さんから「企業経営の論理とは異なる地域経営の原理」を聞き出していきたいと考えています。ここでは誌面に掲載しきれなかったエピソード、取材のその後などをご紹介したいと思います。

トリクルダウン幻想vs積み上げ効果
投稿日: 2013年5月9日 作成者: 甲斐良治
 連載第1回にご登場いただいた長野県泰阜村の松島貞治村長は、「泰阜村は人口が縮小しても落ちそうで落ちない『低空飛行の村』(笑)。リーマンショックでもショックを受けなかったかわりに、株価3万円でもいいことはない村ですが(笑)」とお話を締めくくられました。松島村長、このフレーズを3月の小田切徳美さん(明治大学教授)との対談でも語られたようで、小田切先生は近刊予定の『アベノミクスと日本の論点 成長戦略から成熟戦略へ』(農文協ブックレット8)に次のように書かれています。
 「控えめな表現ではあるが、ダッチロールを繰り返す都市経済に対して、むしろ『低空飛行でよかったのだ』という松島氏のある種の確信を筆者は感じ取った。こうした脱成長への確信が、むしろ『失われた20年』のなかで、農山漁村では静かに広がっているだろう」
 その小田切先生は、13号のインタビューで「『小さな経済』が『中規模の経済』を押し上げていく。トリクルダウンとまさに逆の動きですね。波及効果ではなく『積み上げ効果』です」とも述べられています。

したたり落ちなかった富

 トリクルダウンとは、富める者が富めば、貧しい者にも自然に富がしたたり落ちる(トリクルダウン)という考え方。現在のアベノミクスがそうであるように、まず株や土地などの資産を持っている層や輸出企業が豊かになれば、資産を持たない層、内需企業もいずれその恩恵(おこぼれ)にあずかれるというものですが、実際にはそうはならないことは小泉内閣時代に輸出が伸びたにもかかわらず、むしろ国内格差が拡大されたことからも明らかです。
 このことについては哲学者の内山節さんも「バブル崩壊以降の日本では、経済成長と雇用環境の改善が結びつかなくなってしまった」「今日の課題は、単なる経済政策ではない。どんな社会をつくって、どんな働き方や暮らし方をするのが人間を幸せにしていくのか。課題はそのことの発見にあり、その手段としてどんな経済社会をつくったらよいのかを論じなければならない」と述べています(東京新聞2013年4月21日「時代を読む」―「さまよう亡霊」)。

土台のゆるい「たられば幻想」

 トリクルダウンを信じる人たちは「GDPが伸びたら」「輸出が増えたら」「株価が上がれば」「円安になれば」と言いますが、それはいわば「たられば幻想」。松島村長が人口1800人の村で20年前に「高齢化という地域の特性と福祉という地域の課題」を発見し、そこから在宅介護を中心とする社会福祉協議会の仕事を積み上げてきたのとは真逆です。
 「町村長インタビュー」の旅は、「トリクルダウン幻想vs積み上げ効果」発見の旅になりそうです。

甲斐 良治(かい りょうじ)
1955年、宮崎県生まれ。農文協編集局次長。『季刊地域』元編集長。
1999年、『定年帰農』『田園住宅』『田園就職』『帰農時代』の「増刊現代農業帰農4部作」で農業ジャーナリスト賞受賞。その後も人々の新しい農的生き方を追究するとともに、「地元学」による各地の地域づくりの現場に出没する。NPO法人地球緑化センター理事、NPO法人中山間地域フォーラム理事、明治大学農学部客員教授。
『季刊地域』
http://kikanchiiki.net/kairyoji/

水俣認定「反省足りぬ」、新潟県 泉田知事

泉田裕彦知事は1日の会見で、水俣病認定をめぐり本県が国の方針にかかわらず最高裁判決にのっとった運用を検討するとしたことに環境省の南川秀樹事務次官が不適切と懸念を示したことに対し、「反省が足りない。(患者の)実態に応じた判断をすべきだ」と批判した。

 4月の最高裁判決が国の基準より幅広く救済する判断を示したことを挙げ「有機水銀中毒で障害を負った人は水俣病だと判断した。それを踏まえて法体系を整理すべきだ」と述べた。

 患者認定については「(患者の)実態に応じた判断をすべきだ」と述べ、最高裁判決を尊重する姿勢をあらためて強調。国と県とが統一的な対応をとるべきだとした環境省の姿勢に異を唱えた。

水俣病判決「かすかな希望」 石牟礼道子さんに聞く

「(原告の人々は)胸が晴れなさったろうと思います」。最高裁判決について、絞り出すように語る石牟礼道子さん=16日午後、熊本市、安斎耕一撮影

「(原告の人々は)胸が晴れなさったろうと思います」。最高裁判決について、絞り出すように語る石牟礼道子さん=16日午後、熊本市、安斎耕一撮影
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 【木村司、安斎耕一】作家の石牟礼道子さんは最高裁判決後の16日夕、熊本市内で報道各社の取材に応じた。主なやりとりは次のとおり。

 ――最高裁は溝口秋生さんの訴えを認めました。大阪訴訟は、高裁に差し戻しになりました。

 判決という形で出てくる言葉は、合理的なようで冷たいですね。もうちょっと庶民の言葉に直して考えたい。「まあ、今まできつうございましたねえ」って、言うてよかそうなもんと思う。ご近所なら、そげん言いますよね。「きつか目に遭いましたなあ」って。だけど、これで(溝口さんも)一応、胸が晴れなさったろうと思います。

 ――溝口さんが報告に来られたら、なんと声をかけたいですか。

 まあ、よかったですねえって、背中にさわって、言うでしょうかね。

 ――今回の裁判は、当事者2人は亡くなられ、母親の無念を背負って家族が続けてきました。

 初期のころの裁判もそうでしたけど、裁判するのにも決心して、世間に知れる形にして、その無念を世間の人にも聞いていただいて。(でも)裁判になるといろいろ言われるんですよね。家族も大変だったろうと思います。溝口さんもいくら母親のこととはいえ、お上に反抗して。いま東京で、どぎゃん気持ちじゃろかと思います。

 ――行政が棄却してきた水俣病の認定申請に対し、今回は司法が認定しなさい、と言いました。

 珍しかですね。行政は本当になんもしませんでした。患者さんたちが県庁に押しかけて、調べてくれと言っても、ろくに調べもせずに、棄却という印鑑をついて返すだけ。人間の生身がそこにあるのに、一日一日、一秒一秒苦しいわけです。それをよくまあ、放置して棄却というはんこをついて。棄却って「捨てる」って意味ですよね。人の一生を。大変残酷に聞こえます。棄却というはんこをどんどん押すような行政の役人は、心が痛まないのかなと思いますね。その人たちはいまどう思っているんでしょう。

 ――判決までに約40年がかかりました。長い訴訟の歴史があります。

 水俣病の闘いの中では、無名の人たちがカンパに立ってくださったり、座り込みをすると毛布や畳を持ってくださったり。(1971年の)12月末に東京のチッソ本社の前で寝てますと、通りがかりの人が立て看板を読んで、あくる日に畳が届いた。人情に助けられて運動も続いてきたんですね。お礼を言いたい気持ちでいっぱいだろうと思います。

 ただ、東京に行っているときに、こう言った患者さんもいました。「日本ちゅう国は東京に来れば、見えると思っとった。でも見えんやった。どこに行けば、日本という国があるというのか。水俣は、日本じゃなかじゃろか」

 ――今回の判決前、どんな内容でも水俣病を総括しなければならないと話されていました。水俣病とは何だったのでしょうか。

 人柱でした。水俣病事件というのは。次の文明に進むための。政府は最初からわかっていたと思います。大変な事態になるということを。外国人から見れば、日本人ちゅうのは、情けというのを知らん民族じゃないかと思われせんかなと思います。

 《毒の列島 身悶(みもだ)えししつつ 野辺の花》

 (東日本大震災の後)俳句を作りました。日本列島は毒の列島になってしもうた。日本列島そのものが身悶えしている。この前の地震もそう。でも、野辺には小さな花たちがけなげに咲いている。野辺の花は希望でもあります。その通りには行かないですけど。

 ――最高裁判決はその希望と言えるのでしょうか。

 どんな判決が出るかと思いよったですよね。ある意味、日本で一番権威のあるところですよね。水俣病と認められたことは、かすかな、かすかな希望ですね。

 今回の判決は、無名の方々が心を寄せてくださって、それがあって初めて長い闘いをやってこられたんですよね。お礼の気持ちを忘れないようにと思っています。

水俣病:救済異議申し立て 新潟県 受理

毎日新聞 2013年03月07日 東京朝刊

 新潟県は6日、水俣病被害者救済特別措置法(特措法)で救済対象外とされた未認定患者3人の異議申し立てを行政不服審査法に基づいて受理し、審理を始めると発表した。環境省は「特措法の判定は行政処分に当たらず、異議申し立ての対象にはならない」との見解を示しており、熊本県や鹿児島県は申し立てを却下するとしていた。しかし、新潟県の泉田裕彦知事は同日、「法律上どうみても行政処分だ」と述べ、同省の見解に反対した。

 国が定めた救済措置方針では、水銀に汚染された魚の摂取歴や医療機関での検診結果などを基に、各県の判定検討会で救済対象を決めるとしている。判定が行政処分でなければ、法律上は異議申し立てができない。

 環境省は「新潟県の決定は残念。法律解釈が間違っている」としている。【塚本恒】

Amazon Maps API

「Amazon Maps API」発表。Google Maps APIからの容易な移行をアピール

米Amazon.comは9月17日(現地時間)、地図アプリAPI「Amazon Maps API」を公開したと発表した。現在はベータ版で、利用にはサイトからの申し込みが必要。

 同社のタブレット新製品「Kindle Fire HD」に合わせて開発者向けに公開したもので、アプリに簡単に地図搭載でき、Kindle FireとKindle Fire HD新製品に対応する。なお、Kindle FireおよびKindle Fire HD新製品はandroid.location APIを利用した位置情報サービスにも対応する。

 Amazon Maps APIは、Google Maps APIからの移行が簡単な点をアピール。機能面では、地図をズームしたり回転させたりすることができ、ユーザーの現在位置表示画面は、通常の地図と衛星写真を切り替えて表示するなどの機能を提供する。また、「カスタム・オーバーレイ(Custom Overlays)」機能により、開発者は独自カスタマイズしたマーカーやピンを使って、ランドマークや事業所などを表示することができる。

 Google Maps APIは2011年10月にGoogle Maps APIを一定以上利用する場合に有料化することを発表。有料化は開発者コミュニティから大きな反発を受け、「OpenStreetMap」など他の地図サービスに移行する開発者やサービスが続出。「Google離れ」に注目が集まるきっかけになった。反発の大きさに、Googleは今年6月、地図読込1000回ごとに4ドルだった料金を50セントに大幅値下げするとの発表を行ったが、 
無料利用上限のルール「90日間連続で毎日2万5000回以上の地図読込」には変更はなかった。

 大手企業でも、AppleがiPhone 5に搭載する「iOS 6」からは独自の地図サービスを実装し、Google Maps APIの利用をやめる方針だ。Microsoftは、次期モバイルプラットフォーム「Windows Phone 8」でNokiaの地図技術「Nokia Location Platform」を採用する。 

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20120918_560451.html

「水俣と福島に共通する10の手口」 水俣病を見てきたアイリーンさんが語る

奥田みのりさん

http://www.webdice.jp/diary/detail/6985/

アイリーン・美緒子・スミスさんによる「水俣と福島に共通する10の手口」が掲載されていました。10の手口とは以下のとおり

 1、誰も責任を取らない/縦割り組織を利用する

 2、被害者や世論を混乱させ、「賛否両論」に持ち込む

 3、被害者同士を対立させる

 4、データを取らない/証拠を残さない

 5、ひたすら時間稼ぎをする

 6、被害を過小評価するような調査をする

 7、被害者を疲弊させ、あきらめさせる

 8、認定制度を作り、被害者数を絞り込む

 9、海外に情報を発信しない

10、御用学者を呼び、国際会議を開く

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